2011年3月10日 のアーカイブ
2011年3月10日 木曜日



私がこの業界に入って真っ先に感じたのは、「職人的な勘や経験でほとんどの技術が成り立っていること」でした。


当時若かった私は、しゃかりきになって「現象を理論で突き詰めよう!」と一生懸命理論武装しようとしていたのを思い出します。


今となっては、理論武装も大切なことなのですが、「勘」や「経験」との絶妙なバランスが必要であると思っています。


当時、そんな私を見た父がよくこう言う事を私に言いました。


「すずめは航空力学を知らないけど上手に空を飛ぶ。流体力学を知らない蛙も水陸両用、人間より優れてる。もしすずめや蛙が勉強しだしたら、とんでもない生き物になる。」と。


その教えの意味は「まず恐れずに飛んでみること、泳いでみること。飛んでみて泳いでみて、いろんな問題にぶつかったときに真剣に勉強して極めること」だと思っています。


遅らばせながら、50を過ぎた2年前、何十年ぶりかの受験勉強の結果、現在大学院に通っています。


「とんでもない生き物」には程遠いですが、この数十年、自分のやってきた技術の基礎をしっかり学術的に解明し後世に残していく為に論文にまとめようと悪戦苦闘する毎日です。


(先日、家内と行った美術館で、恐る恐る学生証を提示してみたら、快く「学割扱い」にして頂けました!家内が1500円、私が1150円、何となく優越感を感じる一日でした)