2013年4月22日 月曜日
プロトニクスシステム®  錆の発生している表面への処理

株式会社日本プロトンは、幅広い分野のお客様のご要望に応え、多種多様な部品に表面処理を施工しております。プロトニクスシステム®によって高機能化された部品は、半導体や自動車、医療、食品、建築、その他製造関連設備等、様々な分野にてご愛用いただいております。金属~非導電性等の材料や、単純構造~超精密構造等の形状、磁性を持つもの、表面に変質層があるもの、窒化処理されているもの等、毎日幅広い種類の依頼品をお預かりし、取り扱いをさせて頂いております。


 プロトニクスシステム®では、各々の依頼品の特性とお客様のご要望を把握した上で、最適な方法を選択して処理いたしております。今回は、その中の一つである『錆の発生している表面への処理』について、ご紹介したいと思います。




錆の発生している表面への処理


錆は一度発生すると、発生箇所を中心に金属を腐食していき、金属の性能を著しく劣化させます。


例えば、金属部品に錆が生じると、


「本来の性能が発揮されにくくなる。」


「使用中に欠けや破損が生じやすくなる。」


等の問題が発生しやすくなります。


これらを防止するには、錆の抑制・除去が重要になってきます。


プロトニクスシステム®では、この抑制・除去を前処理工程で行った後、表面処理を施工しております。




~錆が発生している鉄板への前処理効果~


鉄板を用いて、錆が発生している時と発生していない時の工程の流れと鉄板の表面状態を下図に示しました。


表面状態の評価方法は、表面粗さ、外観にて評価を行っています。


<工程と評価結果>

 
 錆が発生すると、発生部分を中心に腐食が起き、表面が茶色に変色して粗れた状態になります。

この錆を除去するため、前処理工程にて化学的処理または物理的処理を行い、その後、プロトニクスシステム®NIPを施工しました。


前処理工程で化学的処理を行った処理品は処理品B、物理的処理を行った処理品は処理品Cです。


処理品Bは、錆がない状態で施工した処理品Aに近い表面粗さ・外観になっており、錆により生じた表面の荒れや変色がほぼ改善されています。


処理品Cは、錆がない状態で施工した処理品Aに近い表面粗さになっています。物理的処理により錆・変質層の除去やクラックが閉塞されるため、表面が高機能化し、外観が変化します。錆により生じた表面の粗れや変色はほぼ改善されています。


※物理的処理は、特殊なメディアを用いて表面上のクラックの閉塞や錆・変質層を除去します。これにより、素材と皮膜の密着性が向上して、滑り性や離型性が向上する効果も得られます。


 


以上の結果より、発生した錆は前処理工程の物理的処理と化学的処理により除去され、プロトニクスシステム®NIP施工後の鉄板表面は錆の発生していない時に近い表面状態での仕上がりとなります。


施工後から2ヶ月以上経過した現在でも各処理品A~Cに錆は発生されていません。